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〒593-8325堺市西区鳳南町3−199-14

ひろせ歯科医院

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072-272-6039

Hirose Dental Clinic

親知らずとは
大人の歯は、13歳前後までに全部(前歯から第二大臼歯まで、28本)生えます。

ですが、それからかなり遅れて20歳前後に歯の列の一番奥に生えてくる歯があります。
この歯のことを、「親知らず」、「第三大臼歯」あるいは「智歯(ちし)」と呼びます。
上アゴ、下アゴ、左右の計4本あります。
上アゴの親知らずは、上の歯の一番奥の歯ぐきとその外側に生えてきます。
下アゴの親知らずは、下の歯の一番奥のぐきと頬の粘膜の間に出てきます。
最初は、そこの歯ぐきがだんだん盛り上がってきて気づきます。
そのうち、歯の頭が歯茎を突き抜けて徐々に出てきます。
親知らずは、大人になったころに親に知られることなく生えてくる歯のことです。
一般的に、真直ぐ生えてくる人は珍しく、斜めに生えたり真横に生えたり、
まったく出てこない人もいます。
自分に親知らずがあるかどうか、舌先で一本一本歯を触れながら数えてみましょう。
前歯の真ん中の歯から数えて8番目の歯を触れた人は親知らずがあると思ってください

なぜ、抜かなくてはならないのか。
1.歯ブラシが届きにくく虫歯になる。

口の中の一番奥(手前から8番目)にあるため、
歯ブラシが届きにくく、みがいているつもりでもどうしてもみがき残しが多くなり、
虫歯になってしまいます

親知らずにみがき残しがあると、手前の歯まで虫歯にしてしまうことがあります。

2.歯並び、噛み合わせを悪くすることがある
斜め、或いは横向きに生えてくること(顎の中に埋まっている場合も含む)が多いので、
歯並びや噛み合わせが変わってしまう事もあります。
特に、下アゴの親知らずが横向きに生えてくると、前の歯を圧迫するためその力が前歯に集中し、
前歯が重なってしまうことがあります。
また下の親知らずが横に飛び出てきたり、他の歯の高さより高く生えてしまったりすると
口を閉じた時、親知らずが上の歯と先に当たったりすることで、顎関節を痛めてしまうことがあります。

3.親知らず自体が炎症の原因となることがある
斜め、或いは横に倒れて生えていると、手前の歯との間に食物がつまることで、
歯肉が腫れたり痛んだり、炎症を起こしてしまいます。原因の親知らずを抜かない限りは炎症が繰り返えされます。
炎症は時に重症化し、下アゴの激痛、顔面から側頭部にかけて放散痛が生じ食事も仕事も困難になることがあります。
入院して治療する事もあります。

親知らずを抜いた方がいいと勧められる主な理由は上記のとおりですが、
これらの理由が全くない場合はもちろん抜く必要はないでしょう。
しかし残念ながら現在では全く問題のないケースのほうがまれです。
多くの人が親知らずに関して何らかの問題を抱えています。

特に、妊娠中出産後の子育て中に親知らずの炎症を生じる女性が増えています




親知らずを抜く前に聞いておくこと
担当の口腔外科専門医から親知らず抜歯の際の注意事項を聞いておきましょう。

まず麻酔の方法は?
表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔、吸入鎮静法、静脈内鎮静法など、どのような方法を行うのか。

レントゲン(パノラマX線写真)から上アゴの抜歯では、親知らずと上顎洞との位置関係
下アゴの抜歯では、親知らずと下顎管の位置関係を診断していただきましょう。
前者は、親知らずを抜歯した際に上顎洞と抜歯窩が交通して空気や液体が通ってしまうこと。
後者は、抜歯後麻酔が切れても、唇やオトガイの皮膚にしびれが残ってしまうこと。
このようなことと関係があります。
起きることはまれですが、抜歯前にこのようなことが予想されるかどうか、説明を聞いてください。

また
「持病があり、止血しずらい薬を飲んでいる。」
「タバコを1日20本以上、長年吸っていて止めることが出来ない。」
「生理と抜歯の日が重なっている。」
「麻酔が効きづらい体質といわれた。」
「傷がよく化膿する」
「毎日、体を動かす必要がある」
「口が大きく開けられない」
「嘔吐反射がつよい」
など、抜歯や抜歯後の経過に関連することがらです。
当てはまる方は、担当医に事前に相談してください。




親知らずを抜歯した後
出血

歯を抜くと、歯が埋まっていたところに(抜歯窩)ができます。
歯はアゴの骨に生えているので、の中からじわじわと出血します。
例えば、刃物で指を怪我したとき、まず出血しているところを押さえ、強く圧迫します。
圧迫により血液が固まり血が止まります(止血)。
歯を抜いた直後の出血も、できた穴をガーゼなどで押さえ、口を閉じて圧迫して止血します。
圧迫する時間が短かったり、圧力が弱かったり、ガーゼがずれていたりすると、なかなか止まらないこともあります。
最低30分ガーゼをしっかり抜歯したところに当て、口を閉じて圧迫します。
その後、ゆっくりとガーゼをはずし捨てます。
直後に強くゆすいだり、食事をしたりするとまた出血することがあります。
傷が動いて固まった血がはがれるからです。
その時は、再度新しいガーゼで押さえ、口をしっかり閉じて圧迫します。
抜歯後、約12時間ぐらいは、抜歯した傷から少量の出血があります。
翌朝までつばに血が混じりますが、それ以降は通常は出血はみられません。
もし、出血が続いている場合は必ず担当医に連絡をとって処置の必要があるか判断していただきましょう。

痛み
麻酔は、通常抜歯後2時間以内に切れてきます。と同時に、抜歯した部位に痛みが出てきます
ですから抜歯した後麻酔が覚める前に、鎮痛剤を服用します。
鎮痛剤は約6時間効いていますが、切れてくると痛みが出てくるので、また鎮痛剤を飲みます。
抜歯後2〜3日間は、痛みが強いので1日数回鎮痛剤を服用することが多いです。
抜歯後4日目ぐらいには、鈍痛に変わり我慢できる痛みになります。
さらに、1週間目にはほとんど痛みはなくなっています。
もし、抜歯後4日目を過ぎても強い痛みが続いている時
、抜歯した穴(抜歯窩)が「ドライソケット」になっている可能性があります。
担当医に相談し、「ドライソケット」になっていないか診察をしていただきましょう。

「ドライソケット」とは?
抜歯した穴(抜歯窩)に、傷の保護となる血の固まり(血餅:けっぺい)が形成されず、ポッカリと大きな穴が開いた状態強い持続性の痛みを伴います。
穴の中には、食べかすがつまり、除去すると骨が露出しています。
想像しただけでもかなり痛そうです。
ドライソケットは、抜歯後の歯槽骨炎のことで、口の中の雑菌が骨に感染し炎症を起こしてしまう状態です。
普通は、転んだ膝の傷は血のかさぶたで保護されます。
そして、したから肉が盛り上がって自然とかさぶたがはがれて治ります。
抜歯した穴も、血の固まりが肉になり骨になり、穴を塞ぎます。
ところが、血の固まりの形成の悪い方がいます。
女性の方、喫煙者、抜く歯に慢性炎症があった方に見られます。
処置は、抜歯窩を十分に洗浄し、抗生剤と消炎剤、鎮痛剤の混ざった特殊な軟膏をゼラチンに混ぜて、ドライソケットにつめます。つめたものが取れないように歯茎の包帯で固定します。
この処置を行えばその日のうちに痛みが治まり、鎮痛剤を飲まなくてすみます。

腫れ
腫れは、抜歯後12時間かけて一気に腫れ、24時間で最大に達し、48時間過ぎてから引き始め、
1週間ぐらいで完全に引きます。
ちょうど腫れのピークが過ぎたころ、腫れていたところが暗紫色のあざが生じます。
打撲の時に見られるものと同じで、内出血のあとで異常ではありません。
自然に2〜3日で首のほうへ下がって、黄色くなって吸収されていきます。
口の中の親知らずのあった歯茎も腫れます。
大きく腫れると上の歯と歯茎が当たって口が閉じづらくなります。
抜歯後4日目を過ぎても腫れがひかない、痛みを伴う方は、担当医に相談してください。
術後感染の可能性があります。
抜歯した歯茎の縫い目から膿が出て口が臭い。口がほとんど開かない。頬の腫れが赤い。
このような症状は、抜歯した傷が化膿している所見です。
膿を出す処置を受け、効果のある抗生剤(化膿止めの薬)にしてもらいましょう。

しびれ
しびれは麻酔が効いている間は舌や歯茎、頬など全体に感じられますが、麻酔の効果がなくなればもとの感覚に戻ります。
しかし、まれに下アゴの親知らずを抜歯した際に、抜歯した側の唇やオトガイの皮膚に麻酔が残ったような「しびれ」「知覚鈍麻」が生じることがあります。
これは、親知らずが下アゴの神経に触れていた場合に生じます。
下アゴの神経は、知覚神経で三叉神経とも呼ばれ、感覚をつかさどる神経です。
レントゲンでは「下顎管」と呼ばれる骨の管がみられ、その中に神経があります。
実際、親知らずと下顎管とは近接していることが多いのです。

ですが、しびれが出る人は、ほんとに稀です。
しびれが出ても、1週間でなおることが多いのですが、しびれの強さ、範囲によっては2〜3ヶ月かかる場合があります。ビタミン剤などを内服して経過をみます。
また、完全には治らず少ししびれが残る人もいます。ですが日常生活に支障はありません。
食事や会話などへの影響もありませんので、安心してください。