顎関節症
予防歯科 審美歯科 口腔外科 顎関節症
ひろせ歯科医院
Hirose Dental Clinic
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顎関節症は、顎関節の痛みや雑音に加えて首や肩こりなどの症状を伴うことが多く、20歳代をピークに女性に発生しやすい病気です。
(適合の悪い冠や入れ歯、歯列不整、親知らず、顎変形症)を含め、様々な原因が絡み合って起こる多因子性疾患と言われています。
このように、顎(アゴ)の運動時に生じるカクカク、ギシギシ(関節雑音)、
痛くて噛めない(疼痛)、口が開きづらい(開口障害)など
この様な症状があれば、顎関節症です。
顎関節は?
下アゴの関節で、左右の耳の穴の前に位置しています。
人差し指で耳の穴の前の皮膚を触りながら、口を開け閉めするとガクガク動くカタマリが、下アゴの関節の骨(下顎頭)です。
この骨は、頭の骨(側頭骨)の凹みにはまり込んでいて、口を開けると凹みから移動して前下方に移動します。
このとき、この運動を助けているのが、関節円板(かんせつえんばん)です。
凹みの中央に位置し、下アゴの骨と一緒に移動し、骨と骨がぶつからないようにクッションの役目をします。ちょうど下顎頭の上に帽子のように乗っています。
下アゴを動かしているのは、咀嚼(そしゃく)筋と呼ばれる筋肉です。
頭蓋骨にぶら下がっている下アゴを上下、左右、前後と複雑に動かしています。
会話、呼吸、食事など、それぞれの状況に合わせて下アゴは動きます。
また、くいしばり、歯軋り、大きなあくびの時も筋肉が働きます。
この時、顎関節がその運動の要となります。
ですから、障害も受けやすいのです。
顎関節症のタイプ
障害を受けた組織(ダメージをうけた部分)によって、診断や治療が異なります。そのため、顎関節症は、タイプ別に分類されています。
障害を受けやすい組織とは?咀嚼筋、関節包や靭帯、関節円板、関節の骨です。
顎関節症は障害を受けた部位によって、V型に分類されます。
I型は、アゴを動かす筋肉に障害が生じるもので、主に咀嚼筋(そしゃくきん)に痛みが表れます。
咀嚼筋には、こめかみから頭にかけて張り付いている「側頭筋」、頬骨と下アゴをつなぐ「咬筋」、アゴの内側と頭蓋骨をつなぐ「内側翼突筋」「外側翼突筋」があります。
その他に、口を開ける筋肉として、下アゴの後ろにある「顎二腹筋」があります。
II型は、顎の運動痛と噛み締め時の痛みで、関節包、関節靭(ジン)帯の炎症、損傷がその病態とされています。
III型は、開閉口時にコキッ、あるいはカクンといった撥(は)ねるような音を生じたり、開閉口時に引っかかりがあったりするもので、関節のクッション役をしている関節円板の位置の異常による障害です。
IV型は、慢性の関節痛、グシャグシャ、ギリギリという雑音がみられ、下顎頭の変形(骨の障害)を生じた状態です。
V型は、その他、I〜V型にあてはまらないものです
「成長とともにアゴが変形してきた」 |
筋肉の痛み、コリが認められる場合には筋弛緩薬も服用することがあります。
タイプ別のII型と診断された顎関節症に適応されます。
また、シップ剤、消炎鎮痛剤入りの塗り薬を使用することもあります。
運動療法には、関節円板整位運動療法と下顎頭可動化訓練があります。
関節円板整位運動療法とは、関節円板がずれてしまった方に円板をもとの位置に戻す運動療法です。タイプ別のIII型と診断された顎関節症に適応されます。
下顎頭可動化訓練とは、関節円板が前にずれたままで関節の骨の正常な運動を回復させる訓練です。主に、タイプ別のIV型と診断された顎関節症に適応されます。
1日5分から10分、数回行います。
1ヵ月は継続し、その後継続が必要か判断します。
スプリント療法は、歯列を覆う「スプリント」呼ばれる装置を口の中に装着します。
タイプ別のすべての型の顎関節症に適応されます。
スプリントにより顎関節や筋肉への負担を軽減します。
また、夜間の歯ぎしり、くいしばりの予防にもなります。基本的に、夜間使用し2〜3ヶ月行います。
「スプリント」は、歯列のかたどりをした後、厚さ1〜2mmの透明なプラスチックで作ります。
運動療法や薬物療法と併用し、治療していく場合が多く、症状にあわせて診察時に調整を行います。
セルフケアも大切です。
急性症状(痛みが強い、痛くて口が開かない、噛めない)の時は、とにかく安静です。
足首を捻挫したときと同じです。
硬いものやガムは避けてください。やわらかい食べ物にしましょう。
アゴの安静を保ち、口は大きく開けない。冷湿布を貼ります。
特に、長時間のパソコン操作、ストレスの多い仕事の場合、無意識にくいしばりが生じていることがあります。
慢性的に負荷がかかると、さらに症状は悪化します。
ポイントは、上の歯と下の歯を合わせないこと。離しておくこと。
歯と歯が合わないように意識してください。
筋肉のこり、慢性的な痛みの場合は、血行をよくするために、温湿布やマッサージを行います。
また、姿勢や睡眠体位も重要です。
椅子に座る時の姿勢、頭を持ち上げて、背筋が伸ばす。
就寝時には、アゴや首に負担がかからないように仰向けまたは横向きで、枕は高いものを避けること。
寝ている時もうつぶせにならないように意識することです。
最後に、慢性化してしまった場合や症状の状態によっては、時に外科的な治療法を行うこともあります。
関節内に麻酔の注射を行い強制的に口を開けさせたり、関節鏡を使って癒着をはがしたり、手術で骨整形することもあります。
ですが、顎関節症の多くは、人生の中では一時的であり、再発はしても自然に治まる病気と考えられています。病状が進行してしまうのは、ごくわずかです。
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